こんにちは。ルンバユーザーのうちたけ(@uchitake_enjoy)です。
普段はルンバ960やブラーバ380jをヘビーユースしています。
このたび、縁あって「アイロボット ファンプログラム」を通して、「アイロボット30周年特別イベント」にお招きいただきました。

このイベントでは、新作ルンバである「ルンバs9+」のお披露目も行われました。

今回のイベントは、「ルンバs9+」の説明はもちろん、ルンバ30周年の振り返りや、今後の戦略、アイロボット社の目指す未来についても語っていただきました。
この記事ではその中でも特に印象に残った点についてまとめていきたいと思います。
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キーワードは「洗練」「知性」「パワフル」

まず、アイロボット社の創設者でありCEOであるColin Angle(コリン・アングル)氏によるプレゼンです。
2020年はアイロボット社を創業して30周年。
日本においては累計で300万台(3Million)、世界においては3,000万台(30Million)のロボット掃除機が販売されました。
コリン氏からはさらに、「ルンバs9+」の特徴について熱く語っていただきました。

洗練-Sophisticated

s9+の開発は17年の歴史においてはじめて根本から設計を見直しすることから始めた
ルンバs9+はその姿を見ても一目瞭然ですが、これまでのルンバとは形から全く違います。

後述しますが、ルンバが円形であるのはアイロボット社の理由とこだわりがあったそうです。
それを覆した「ルンバs9+」。並々ならぬ決意がうかがえます。
知性-Intelligent

ルンバs9+には様々なセンサーやナビゲーション機能が備わっています。
vSLAMナビゲーションは毎秒23万400以上のデータポイントを取得し、家の中の環境を詳細にマッピングして学習することができます。
これにより、清掃済みのエリアとこれから清掃するエリアを判別。効率よく動くことができます。
ルンバs9+は何回も部屋を掃除することで、一番効率のよいルートを見つけ出すことができます。
下の図はルンバs9+がはじめて掃除をしたマッピングと複数回掃除をした後のマッピングを比較したものです。

パワフル-Powerful

ルンバs9+は吸引力が40倍にパワーアップしています。
これまでの最新モデルであったルンバi7+の吸引力は基準モデルの10倍だったので、ルンバi7+の4倍の吸引力があるということになります。

正直、基準モデルであるルンバ643を使ってみた感じ、そこまで吸引力に問題は感じませんでした。

その40倍となると、正直想像ができないですね(笑)
コリン氏もルンバs9+のことを「モンスター」と表現されてましたが、それにふさわしいパワフルぶりです。
ルンバs9+は掃除機としてはオーバースペックなのか!?


コリン氏のプレゼンの後、アイロボットジャパンのプロダクト&マーケティングストラテジー部 部長である山内洋氏からのプレゼンがありました。
ゴム製のブラシの幅が30%広くなった
これまでのルンバは車輪と車輪の間にブラシがあった分、ブラシの長さに制限がありました。


一方、ルンバs9+のブラシは本体前方につけられているため、従前モデルのルンバのブラシ幅より30%も広くなっています。
perfectEdge テクノロジー
これまでルンバの唯一の弱点は「部屋のスミ」の掃除が苦手
という点にありました。
ルンバは、この弱点以外は本当に素晴らしいので
と正直思っていました。
ルンバが円形にこだわり続けた理由は「狭いところに入り込んだ時に、簡単に回転して離脱できる」という話を今日聞いて
と納得したのですが、今回「ルンバs9+」が円形でなくなった理由はテクノロジーの進化にありました。


センサーがより高性能になり、3Dで部屋全体をとらえることができるようになったことで、ミリ単位で自身の場所を把握。さらに、狭い場所に入り込んだ時でも後方にそのままバックすることで離脱が容易にできるようになったとのこと。


このテクノロジーの進化によりルンバs9+はルンバとしてははじめて「D字」型のボディを獲得し、コーナーブラシが部屋のスミに届くことで、完璧に部屋を掃除することができるようになったということですね。
ルンバs9+は「プラットフォーム」である


プレゼンも佳境に差し掛かったところ、山内氏から衝撃的な発言があります。
ルンバs9+は掃除機としてみたとき、搭載されているハードウェア性能はオーバースペックかもしれない。


オーバースペックの自覚があるなら、適正なスペックにして値段も抑えた方が・・・と思いましたが、「今後を見据えたときに必要なスペックである」という話を聞いて納得しました。


つまり、ルンバs9+を「プラットフォーム」として考えた場合、ソフトウエアの更新により継続的に機能が進化させていくことができる。ということです。
アイロボット社の今後の戦略


最後に、アイロボットジャパンの代表執行役員社長である挽野元氏による、足元の状況や、今後の戦略に関するプレゼンがありました。
全世界で3,000万台の家庭用ロボットを販売


2020年、アイロボット社は全世界累計で3,000万台のロボット掃除機の販売を達成し、年間売り上げは12億ドル、前期比で+11%の増収ということです。
マーケットシェアも拡大


また、アイロボットジャパン社はアイロボット製品の日本における世帯普及率を「2023年までに10%」にするという目標を掲げていますが、2020年1月現在、全国世帯普及率は6.3%になっています。
2017年から約3年で2%程度、普及率が伸びたことになります。


ロボット掃除機別のマーケットシェアも2018年の67.4%から74.7%に伸びています。
これはルンバe5がマーケットに受け入れられたことと、ルンバi7シリーズの売上が堅調に推移したことによります。


機能価値から顧客体験価値の提供へ ルンバはより豊かな生活の提供を目指す


今回のイベントを通して、アイロボット社が目指している姿が少し見えたように思います。
ルンバs9+を含む各種ルンバは、確かに「ロボット掃除機として」非常に優秀な機能を備えています。
吸引力や、稼働面積、アプリケーションとの連携など、他のロボット掃除機より性能が優れている点が数多くあります。
通常の家電メーカーであれば、これでいいのかもしれません。


アイロボット社が目指しているのは、顧客に提供する「機能的な価値」だけではなく、その先にある「顧客の体験価値」だ、ということです。
ルンバを使うことで掃除に割く時間が減り、ゆとりが生まれます。
その時間を使って、夫婦の会話ができたり、子供と遊んだり、自分の時間ができたりと、新たな時間の使い方ができます。
自然と、家族の笑顔が増えたり、趣味の時間が増えたりと、ルンバが生み出す価値は「部屋をきれいにする」ことだけにとどまりません。


まさに、ルンバを導入することでより「豊かな」生活が送れるようになったように感じます。
さらに、CEOのコリン氏が少し先の未来ということで紹介してくれたスライドは、まさに「顧客の体験価値」に立脚したものでした。




このような未来を描くアイロボット社の製品を応援したいと思いましたし、これからも使っていこうと思います。
今回のイベントはまさにアイロボット社30年の英知と、想いが凝縮されたイベントでした。


なお、ルンバs9+の販売は2020年2月28日(金)からです。
高くて手が出せない・・・・かもしれませんが、是非とも手に入れたい一品です。